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昔ライブドアの株を買ったくらいで、一昔あれだけ騒がれていた
ホリエモンのことを実はよく知らなかった。

本書は2010年2月に開始したメルマガの一部のコーナーを中心に
まとめたものだ。このメルマガはホリエモンが収監されたからも
スタッフの力を借りて更新を続けられた。このビジネスによって
獄中にいながらも億単位の売上をたたき出しているのだからすごい。

本当にすごいのはやはりその思考だった。
「ビジネスモデル教えちゃいます塾」では、この閉塞した世の中にあって
惜しげも無く数々のビジネスアイデアを披露している。彼が言うには
今の時代ではアイデアそのものにそれほどの価値はないらしい。
要は思考停止に陥らず、自分の頭で考えて実行に移せというものだ。
IT系の人だけあって、「プログラムやHTMLくらい自分で書けよ」と言い放つ。

「Q&Aコーナー」では迷える読者たちに、ばっさばっさと回答をたたきつける。
「なにをやればよいかわかりません」「好きなことをやれば？」という具合。
なにやらぶっきらぼうで、適当に答えているように一見みえるが、
よく考えるとその通りだな、というものがほとんどだと気づく。
ものすごい数の質問に、おそらくほとんど時間をかけずに即答している
ものと思われる。

彼をただの成金のような扱いをするメディアもあるが、彼の発する言葉をよくみてみると
ものすごく頭の切れがよく、ビジネスセンスのある人物だとわかった。
その物言いは一部の人には嫌われるかもしれないけれど。
繁栄を終えて閉塞に向かう社会では、このような人を登用すると面白いと思うのだが。
ホリエモンの仮出所後の今後の動向に注目したい。