ツールドおきなわ2008レポート

しっかりしたツールドおきなわのレポートを書いている
ジテンシャ仲間が多いので、私も書いてみよう。

8日に那覇空港に降り立つと、雲はあるものの
南国の日差しが降り注ぎTシャツ1枚で十分な気候だった。
だが、名護で受付を済ませ、宿泊地の奥間へ向かう程に
雲は厚くなり、夜にはとうとう雨が降り出した。
次第に雨は激しくなり沖縄中部では警報が発令され、
開催が危ぶまれる程だったが、私たちにできることは
ちゃんと準備をして寝るだけだ。

朝起きると雨は小降状態になっていた。
レインレースを覚悟し、朝食と身支度を済ませる。
雨とは言ってもここは沖縄。気温は20℃近くある。
さらにバイクに乗ると体温が上昇するので
ウェアは悩みどころだ。ロングスリーブのレインウェアは
体温を保つが、風を受けて抵抗になる。
私は、ホテルから20km離れたスタート地点辺戸岬までは
体を冷やさないようロングスリーブを着用し、走行中は
ベストを着る事にした。また、足回りが雨で冷えないよう
冬用のホットクリームをすりこんでおいた。

昨日合流したtoRideの85km組とスタート地点へと向かう。
ものすごい北風だ。辺戸岬では多くの選手が岬の商店の
軒先で雨宿りをしている。

予想スタート時刻30分前くらいだろうか。
人が動き出したので同調して付いて行くと
既に岬の入り口ではスタート前の整列が始まっていた。
列の最後尾につく。見たところ全体の2/3くらいの位置だろうか。
少し出遅れたようだ。

所定の時刻になっても別のカテゴリーが通過する様子も
アナウンスも全くない。この雨と強風で先行の国際と
市民200kmクラスのスピードが落ちていることが予想された。
彼らはこの北風の中、名護から北上しているのだ。
待ち時間の間に周囲の人と「どこから来られたんですか?」
などと話をする。近くにいたつるさんは千葉は柏からだそうで
周りは千葉勢が多い事に気付く。
さらに「ブログやってますか?」という話題から、先のつるさんが
隣にいた金沢からこられたちふ亭さんのブログ読者だと判明。
沖縄の北の果てで書き手と読み手がご対面する奇遇に沸く。

所定時刻より約30分遅れで200kmの選手達が通過する。
誰かわからないが大逃げをうっているようだ。
沖縄とはいえ、さすがに雨の中1時間以上もじっと待っていると
寒さに震えてくる。もうそろそろ限界かというころに
スタートの動きが。アナウンスがまったくないというのは
運営側に問題がある。

昨年はローリングスタートだったらしいが、今年は
いきなりスタートした。漕ぎだすと赤いパイロンが
前方で転がっている。走り出すと雨は激しく顔に当たり
追い風で一気に巡航速度は50km以上になった。
足が空回りする。普段の14-25のギアのままだったことに
気付くが、集団の後ろに付けばほとんど漕がずにすむ。
人の後ろではものすごい水飛沫を顔に浴びて、苦しいくらいだが
横に出て風圧を受けるとスピードが下がるので仕方が無い。
序盤からものすごいスピードで海岸線を下る。

二つ目のトンネルだっただろうか。トンネルに侵入した
瞬間に異様な空気を感じ取った。前方で人がドミノ倒しの
ように左右に倒れて道を塞いでいく。そこにさらに後続車が
突っ込み多重落車が起こっている。バイクが倒れる乾いた音と
「止まれー!」「ブレーキ!」などという叫び声がトンネルに
反響して、視覚と聴覚がマヒしそうになる。私は目がいいので
かなり早い段階で状況を察知して減速を行い、大落車の現場を
すり抜けて行った。この路面はかなりスリッピーなようで
再スタートに手間取る人たちも多く見受けられた。

私は妙に冷静で、「これでスタートの遅れを取り戻せたかもしれない」
と思い先を急ぐ。後ろで声がするので振り返るとカナイくんが
追いついて来たようだ。

そしていよいよ普久川ダムへの上りに入る。
トレーニングの成果かそれほど遅れずに集団について行くが
しばらくすると、ゼッケンの色が違う集団が一気に追い抜いて行く。
130kmの集団だと気がついたのは少し後で、「ガッチ!」と
仲間の名を呼ぶが、仲間のジャージは見当たらなかった。
心拍を確認し、これ以上のペースアップは無理だと判断し
マイペースで行く事を決める。

なんとかダムを越えて安波へと下るが、雨のせいか
コーナーの度に落車した人が路肩でうずくまっている。
パンクしたのか車輪を外している人もいる。
マイナスのイメージが頭に浮かんでくるのを振り払う。
私のチョイスしたmichelin pro2&pro3は8気圧を入れて、
このウェットな路面でもしっかりとグリップしてくれる。
ダムの後はアップダウンが延々と続くのだが、体もバイクも
全く問題はない。上りはなんとかくらいつき、下りはほぼ
ノーブレーキで加速する。多くの人が雨でかなりスピードを
抑えているようだった。しかし体調がよく、下りで速いことが
後々裏目に出る事になる。

しばらく行くと高江の関門を過ぎる。ここは2005年に足切りに
あった場所だ。あの時も凄まじい雨でタフなレースだった。
そう、特に宣言はしなかったが今回は前回のリベンジで
最後まで走りきる事と、50位以内を目標にしていた。

平良や有銘あたりでも私は調子がよいことを感じて
集団ではどんどん前を引き、下りでぶち抜いて
前にいる集団に追いつく事を繰り返していた。
しかしそこで源河の3段坂に挑む体力を消耗していたのだ。
いくら調子がいいと言っても100km近くのレースでは
ペース配分を考えないといけない。
この坂は以外と長く厳しく、ここまでで消耗した選手達を
容赦なく打ちのめす。私はフォームを崩し、ももの付け根に
力が入らなくなり失速する。

沿道の応援にも力をもらい、なんとか上り切ると頂上に「名護」の文字が。
思わず「よっしゃ名護じゃ!」と叫んでダウンヒルへ向かう。
(なぜか「じゃ!」が出た)
下りきって源河の関門を越えると、周りはさまざまなカテゴリの
ゼッケンの選手が入り乱れて大きな集団が出来ていた。
ゴールの名護までもうすぐだ。

R58を進むと視界が開けてくる。あいかわらず雨は激しいが、
片道3車線だっただろうか、道路を完全にクローズドしているので
見渡す限り車がいない。沿道に応援の声も聞こえる。
なんと気持ちがよいのだろうか。体は疲れているし全身ずぶ濡れだし
大変な状況なのだろうが、私は思わず笑いがこみ上げて来た。
そして武者震いがした。ゴールが近づいている。

ここまで来ると集団はだいたい同じような実力の選手が
固まっているのだが、やはり私は調子がよいのか
自然に集団の前に出る。いくつかあるアップダウンも
ダンシングで一気にこなす。沿道に表示されている
残りキロ数の数字が少なくなってくる。

いよいよ1kmを切った。私は20名くらいの集団の前方に
いるようだ。振り返って確認する余裕があった。
200kmの緑ゼッケンの選手が一気にスピードをあげたのを
見逃さず付いて行くが、後方の集団も付いて来ている。
残り200mほどで全員のスピードが上がる。
私はこらえにこらえて最後の数十メートルで加速した。

ゴールラインを越えるとなんとも言えない安堵感と
達成感が満ちあふれた。「よっしゃ!」
そしてこの感動をわかちあうべく仲間の姿を人混みの中に探した。
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みなさんおつかれさま!
悪天候の中よく走りましたね。
またこの地でお会いしましょう!
沿道で応援してくれた沖縄の皆さんありがとう!

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3 Comments
  1. こんなんみてたら絶対息子らにもやらせたいし、私は観戦にいきたいなあ~。ってか私は沖縄で遊んでみたいだけだけど・・・。

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