ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛
	リチャード・ブラント,滑川海彦 (解説),井口 耕二Amazonで詳しく見る by AZlink

私は今や、Macbookを使ってGoogleで検索しAmazonで買い物するということが
すっかり日常になってしまった。少なからず同じような人も多いのではないだろうか。
本書では、そのAmazonを創った男、ジェフ・ベゾスの生い立ちから現在に至るまでの
軌跡を追っている。

Appleを創ったスティーブ・ジョブズの伝記を手にした人なら、彼のストーリーと比較
しながら読み進めると面白いだろう。同じ天才でも大学をドロップアウトした後に
起業したジョブズに対し、ベゾスは優秀な成績で卒業して、ヘッジファンドで功を
成した後にスタートアップするという王道。

ジョブズの起業時がコンピューターの黎明期であったのに対し、ベゾスの場合は
インターネットが年率2300％で爆発的に成長していた正にその時だった。
ベゾスはそこで、なぜ書店業を選んだのか。彼の徹底した「顧客第一主義」「合理主義」
とはどういったものなのかが解き明かされていく。
一方では、プライベートを公にしない主義らしく、先日放映された「カンブリア宮殿」で
登場した姿とほぼ変わらない本人とオフィスの様子が描かれている。

卓越した才能を持ち、「火星人」とも評されるベゾスのような人物が、思う存分
その力を発揮できる土壌があるところに、アメリカの底知れぬパワーを感じる。