【book】未来を漫然と迎えるのか、主体的に選びとるのか。
『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図』

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ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
リンダ・グラットン,池村 千秋

プレジデント社
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現代に生まれた子どもたちの寿命は100歳を超えるだろうという予測がある。
一方で、ドラッカーが言うように、現代では人間の寿命より企業の平均寿命の
方が短くなってしまったという状況がある。我々の働き方は変わらざるを得ない。

さらに、我々を取り巻く環境も大きく変わろうとしている。
情報処理とネットワークの技術はこの短い期間で世界を大きく変えてしまった。
そのうねりは今後ますます大きくなり、通信速度が遅いだとか、繋がらないだとか
そんな障害は近いうちに過去のものになるかもしれない。そうなった時に我々の
世界はどうなるのか。世界中のどこであろうと24時間つながってしまうと
静かな安息の一時を持つことなどできなくなってしまうかもしれない。

高度なネットワーク社会の恩恵に多くの人が預かる一方、環境問題が深刻化することで
電車や車を使った移動が大幅に規制され、会社と遠隔で就業するという形態が増え、
その結果孤独な人々が増えるかもしれない。

また、発展途上国と言われている場所に生まれた人であっても
Webを通じて高度な教育を受けて、世界中で活躍できる人材になる人も
出てくるだろう。一方で先進国に生まれた人であっても、ローカル以外の
人材と職を争うことになり、その結果脱落する人も出てくるだろう。

これらのような予想を各分野の専門家が考察し、物語を与えて2025年の
未来を予測している。それによると、テクノロジーの進化と環境問題の悪化などが
進むにまかせて漫然と未来を迎えた場合、時間に追われ、孤独に苛まれ、
寂しい人生を生きなければならないという暗澹たる結果が待っている。

そこで我々に求められていることは、自分で未来を選びとることなのだと
著者は言う。それは人類が経験したことのないことであり、非常に難しい
ことであるけれど、それなしには明るい未来を手に入れることはできないと。

そのためのキーワードが「ワークシフト」である。
これは自分を取り巻く環境を分析し、自分らしい働き方を見出していくプロセスを
指す言葉だという。働き方と働くことに対する考え方のシフトについて
いくつかの方法が述べられる。

金銭的報酬をのみ目標にする働き方をシフトすべきではないか、というのもその一つ。
仕事をするにあたってはキャリアの積み方のシフトを提唱する。
仕事の世界で成功できるかどうかを左右する要因のひとつは、
その時代に価値を生み出せる知的資本を生み出せるかどうかであり、
そのためには広く浅い知識や技能を蓄えるゼネラリストを脱却し、
専門技能の連続的習得者へシフトする必要があると著者は主張している。

今の働き方に疑問を持っている人、これからの働き方を考えている人は
この本にあるいくつかの物語と専門家の考察の中から、きっと大事なヒントを
得られるだろう。

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