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山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた 山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
山中 伸弥,緑 慎也講談社
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ノーベル生理医学賞を受賞した山中教授が、自らの半生を語る。

神戸大で医学生時代を過ごし、大阪市大で研究されたこともあって、神戸育ちの私にとっては親近感のわくエピソードが数多く登場する。

ノーベル賞をとられるくらいだから、優秀な方に違いないのだが、外科医時代には手術が下手てジャマナカと言われたり、研究職に移っても実験用のマウスの世話に追われて思うような研究が出来なかったりと、順風満帆な道のりではなかった。

臨床医から研究者になり、研究も紆余曲折するのだが、何かに導かれるようにiPS細胞の発見という世紀の偉業に辿り着く過程が、本当にドラマチックだ。Steve Jobsのスピーチにある「将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。何かを信じなければならない。」というくだりを地で行くような話だ。後半はiPS細胞とは何かということが、できるだけわかりやすく説明されている。

難しい研究の話題の中にも関西弁とユーモアを交えるその語り口に、山中教授の人柄が感じられる。

先日の神戸での学会の講演は、ノーベル賞受賞の直後だっただけに、ご本人から直接お声を聞けず、非常に残念だった。受賞直後から時間がたって、メディアでの露出が少なくなったが、きっと多忙を極めておられるのだろう。これを読むことで、ますます山中教授を応援したい気持ちが強まった。

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