前半からの続き。
ここは大弛峠(おおだるみとうげ)。
車で通行することができる最高標高(=2360m)の峠だという。
長野側は未舗装のガレ場だったが、山梨側は舗装されていた。
管轄の違いは予算規模の違い。それがこの結果か。
しかし、舗装されているとはいっても、標高の高い峠につながる道だけあって
一定の間隔でグレーチングがある。それが所によっては結構な段差になっているので
ぶっ飛ばしてダウンヒルすることはできない。舗装も所々でひび割れ、穴が開いている。
メインの大垂水峠を超えたとはいえ、後半にはまだいくつかの峠が控えている。
先ほどのチェックポイントでは我々は全体の中で結構上位にいるようだ。

photo by Yukikaze/Flickr
事前情報では、基本的に補給は自販と商店を利用するようにということだったが
後半になると、スタッフがチェックポイントで補給を用意して待っていてくれた。
手作りのクッキーやおにぎりがどれだけありがたいか、、、

photo by Yukikaze/Flickr
「この先の下りは危ないから、くれぐれも気をつけて!」と言ってチェックポイントから
送り出された先は、雨で路面が濡れ、コンクリートは縦横にひび割れ、
あちこちに段差のある、かなり危険なダウンヒルだった。

photo by Yukikaze/Flickr
私は無理に飛ばすことなく、慎重に降っていたのだが、それは突然であっという間のことだった。
前輪がガガガッととられて、体勢を立て直そうとする努力も虚しく
私の体は中を舞い、横向きに数回転した後に地面に激しく叩きつけられた。
バイクがコンクリート上に落ちる乾いた音が響いて、あたりは一瞬の静寂に包まれた。
次々と仲間が駆け寄ってくる。直後を走行していたガッチによると、路面の縦のクラックに
フロントが入り込んでバランスを崩したらしい。倒れたまましばらくじっとしていたが
ゆっくりと体を起こしてみると、左肩を強打したようだが折れてはいないようだ。

photo by Yukikaze/Flickr
左足には小さめの裂傷があって出血している。ボトルの水で血を洗い流して
立ち上がった。バイクはチェーンが外れて、ホイルに少しフレが出たものの
ansyanが調整してくれたので走行に問題は無さそうだ。ありがとう。

photo by Yukikaze/Flickr
直前の峠の上りで、膝の痛みを緩和すべくロキソニンを飲んだのが効いているのか
激しい落車の割りには痛みが少ない。コケ方もよかったのだろう。
ホッとして再び下りに向かう。仲間には心配をかけた。
いつかのランス・アームストロングではないが、落車したあと不思議と調子がマシになった。
出血しているにもかかわらず、先ほどまで痛かった左膝の痛みも和らぎ、
普通にペダリングできるようになった。
ロキソニンの鎮痛効果に加え、落車の一時的な興奮により体内でアドレナリンが
大量に放出され、痛覚の麻痺が起こっていたのかもしれない。

photo by Yukikaze/Flickr
それでも100kmを超えて獲得標高も3000mを超えた後半に差し掛かると、
さすがに鍛えられた足とそうでない足の差が出て、だんだんと上りで仲間達と
差が開くようになってきた。雨が厳しくなってきて、視界が曇る。

photo by ZUZIE/Flickr
隊列の最後尾で喘いでいると、ユッキーが降りてきて並走してくれた。
前を走ってKOMを狙える力があるにも関わらず、後方をケアしてくれるなんて
なかなかできひんことやで。Thanks gentleman.

photo by ZUZIE/Flickr
最後のチェックポイント。
暖かいコーヒーが冷えた体に染み渡る。

photo by ZUZIE/Flickr
ラストスパート!
最後の上りは大したことないと甘く見ていたが、これが意外とキツかった。

photo by ZUZIE/Flickr
ゴールが近づくと、あれだけ降っていた雨はあがり、雄大な八ヶ岳にかかった
雲の切れ間から光が漏れ、美しい夕景が広がった(写真ではこの感動が伝えられない)。
「これはビューティフルや!」noyage先生の口からも思わず感嘆の声が漏れる。

photo by ZUZIE/Flickr
ここまで共に走ってきた仲間と健闘を称え合う。
本当によくがんばったよね。

photo by Yukikaze
ラスト数百メートル、我々はウィンドブレーカーを脱ぎ
最後は横1列になってゴールラインを跨いだ!

photo by Yukikaze/Flickr
ゴール後のBBQと表彰式。
各地の地ビールを酌み交わし、歓声に包まれる中、我々は表彰のコールを受けた。

photo by Yufta/Flickr
13チーム中5位だという。
多忙でなかなか練習時間が確保できないメンバーが多い中、よく健闘した!
正直なところ、順位はどうだってよかった。
Journey is the reward. (Steve Jobs)
旅そのものが報酬なのだから。
丸一日のライドを共にした2チームの皆さん、一緒に走れて楽しかった。
企画・運営に携わったスタッフの皆さん、本当にありがとう。
競い合った他チームの皆さん、またどこかでお会いしましょう。
frickr(zuzie)
http://www.flickr.com/photos/zuzie/sets/72157631386472256/with/7922331358/
コメント
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2012年 9月 24日
正に筆舌に尽くしがたい。
そんな感じでしょうか。
土曜日が楽しみです。
また、色々聞かせてください。
素敵なイベント、仲間との走り。
落車も大きな怪我でなくて幸いでしたね。
それにしてもみなさんいい顔してはります!
>みっちょむ殿
筆舌に尽くしがたいですが、この経験は伝えたいと思い
キーボードを叩きました。
VB楽しみにしてます。ありがとう。
>uechicchiさん
大きな怪我はなかったんですけど、切り傷擦り傷だらけ
そして打ち身であちこちが変な色になってきました。
バイクも新品ホイルとタイヤがよくみたらズタボロです。
それでも!あの道のりを仲間たちと走り切った喜びは
何ものにも変えられません。
今度はご一緒にデロライドしたいですねー。
(まだこない、、、)
CWからのリンクでお邪魔しました。あまりにも素晴らしいイベントと参加レポートだったので、コメントさせてもらいます。
こんな経験が出来るイベントに招待され、共に挑める友人がいるなんて最高ですね!
Raphaのバイクカルチャーに対する真摯な姿勢と活動も素晴らしい。
こんなイベントが増えてくれるといいなー。
それでは、失礼します。
>fignon84さん
コメントありがとうございます。
厳しいコースを仲間と走り切る喜びは最高でした。
バイクカルチャーに対するリスペクトがあれば
同じような仲間が集まってくるものですよ。
fignon84さんのバイクライフが、これからますます
素晴らしいものになりますように。