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カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!? (集英社ビジネス書)カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!? (集英社ビジネス書)
高城剛

集英社
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客先でIRの話しがでたり、新聞やニュースでカジノ法案の話題を目にしたので一度ざっと知識を整理しようと思って本書を読んでみた。「日本の未来を決める」というタイトルに「そこまで大げさなこと?」と感じた疑念を払拭したかったのも1つある。

まずカジノとIRの違いを正確に言える人がどれくらいいるのか?国会でカジノについて云々している人たちの中で、実際に足を運びカネを賭けた人がどれくらいいるのか?著者の高城剛氏は若かりし頃にハイローラーとして世界のカジノを回って現場の施設、環境、集まる人々などについて熟知している。そして最近は所有物の大半を処分して世界を回ることで、カジノやIRで何が起きているのかをその目で見ている。

そんな高城氏がラスベガスやシンガポールなどの世界の最先端事例を歴史とともに振り返りながら分析し、では日本はどうすべきか?と問うている。「ギャンブル依存症が増えるから反対!」と短絡的に唱える人は、日本が既に世界でも突出したギャンブル依存症患者の多い国だということを知っているのだろうか。IRのIがIntegratedを指すように、カジノは全体の一部であり、大型の会議、展示施設と宿泊施設を内包するそれは、大きな人とカネの流れを創りだす装置であり、オリンピック終了後にこの国を活性化させる最後のチャンスかもしれないことは頭に入れておくべきだろう。ただ、その実現には徹底した非合法組織の排除と全体をまとめあげるセンスと実行力が問われるという。

国内ではパチンコ業界が政界と癒着して新たな利権に食い込もうする動きもあるというが、現場を知らない政治家達が口先だけの議論だけをしている間にアジアでは巨大なIRが次々とできて潜在顧客を奪われ、オリンピックが終わったときにはもう次の景気刺激策がなにもない、なんてことにならないようにして欲しいものだ。



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