気がつけば2013年も大晦日を迎えた。
高城さんにならって、私も今年まわったレストランの中から、
極めて私的なベストレストラン・トップ3を選んでみた。
第1位 「こばま荘」(@京都)
正確に言うとレストランではなく、京丹後の小さな民宿。
「割烹の宿こばま荘」と名乗るくらいなのでオーベルジュのようなもの。
今年の4月に二人で訪れた。
京都の料亭で修行をされてきたという、宿の息子さんが料理長をされていた。
日本海が目の前という立地から、魚介類がうまいのは当然として、調理・味付け・盛り付け
すべてが行き届いていて、単なる煮付けでも信じられないくらいおいしかった。
当日の昼に不育治療の病院で検査を終えて、受精卵が順調に育っているという報告の
後だっただけに、心理的要因もあったのかもしれない。アウトオブシーズンだったせいか
宿泊は我々だけで、かなりの好待遇だったのも印象がよかった。
ちなみに、なせこばま荘に泊まったかというと、翌日現地から亀岡までの160kmを走破する
グランフォンドに出走するためだった。
第2位 紅梅亭(@香川)
こちらも自転車レース(シクロクロス)に出走のため宿泊した宿。
宿の料理なんてどこもそこそこだよねー、という先入観を吹き飛ばされた。
組み合わせと盛り付けに料理長のセンスを感じるのに加え、素材が素晴らしく良い。
瀬戸内の海の幸に地元の農産物だから、鮮度もうまみも抜群だった。
さすがにうどん県だけあって、朝も夜もうどんが出るのには驚いた。
当日のレースのアップをする時間を失ってまで、堪能するほど朝食も美味しかった。
第3位 Mugaritz(@San Sebastian)
出産直前の間隙をぬって飛んでいったバスクはサンセバスチャンのレストラン。
人口当たりのミシュランの星の数が一番多い街のレストランがどんなものか
この目で見て、味わってみたかった。
「感じ、想像し、発見する150分 瞑想の150分」
最初に手渡されたメニューリスト(ゲスト別に作ってある)にこう書いてあった。
22皿のメニューを食べ終えて感じたことは
・料理とは驚きと感動を与えられるものだということ
・我々の持つ日本食文化が、バスクのような遠方でもリスペクトされているということ
・キッチンをオープンし、料理の研究室を持ち、年に一定期間は勉強にあてるという姿勢は
日本ではまず見られないことだし、それは彼らの料理への情熱と挑戦する姿勢そのものだということ
やはりネットで見たり、本を読んだり、人から聞いたりするだけではわからないことが
あるんだな、とバスクの旅を通じて強く感じた。
振り返ってみると、改めて和食の力に感動した1年だった気がする。
そして海の向こうでも和食の力を思い知って、驚いた。
いずれも地元の素材を使って、工夫をこらし、完璧に調理してあった。
いい勉強になった。
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